亜空間徹マン


時たまノイズまじりに外界との交信あり。S/N比が悪いのは、ハードウェアのせいでは、勿論ない。


「ん?ああ、いつ?明日通夜か。あ、わかった、じゃ」
そんな淡々と受け答えしてる場合か。そもそもここにいる場合か。


テレビには○ニスの試合の模様が映し出されている。


「硬式とか軟式とかいろいろあるよね」



……後で調べたらウィンブルドンの録画だった。


發をイチ鳴きし、高らかに小三元宣言。宣言しているのに、はなから相手にされていないのか、対面からの中ビームをも吸収。パイパン単騎。
普通こういったシチュエーションでのパイパン切りはありえない。ありえるのが亜空間の亜空間たる所以。でも跳満。


「はーい、少牌してまーす」
申告しなくてもよろしい。しかも3回やるなよ。


……。やがて皆ナルコモードに。勝機!と思い、ここでエスモカ2T投入。


「なんでこんな辛い思いをしてまで麻雀やらなきゃいけないんだろうね」


「そりゃ、24時間テレビのチャリティーラソンとかと一緒で、やり遂げたという充実感を得るためでしょ」


空疎で空ろでカラッポしか残らない事を、各々の心の内ではおそらく重々承知の上で、


「リーチ!『(お客様がおかけになった電話番号には、お客様のご都合により……風の声音で)あとはオートヅモです。』、みたいな!!」


それが亜空間徹マン